結論から言うと、X-Pro3はハイブリッドビューファインダー(OVF)で撮るときの消費がLCDより明らかに少なく、満充電のTNP-W126S1本で半日ほどの街撮り、およそ250〜300枚をカバーできます。LCD中心の構図や頻繁な再生が加わると、枚数は目に見えて減ります。実際には2本持つのが無難で、3本目は動画を撮るか、一日中外にいるかで判断します。街撮りにおける充電の設計とは、要するに「交換」という動作を、撮影を止めずに済む時点に置くことです。
X-Pro3はかなり特異なカメラです。メインのLCDを隠せるチルト構造にし、通常は収納した状態で光学ファインダーを使うことを促します。この設計は持ち時間に実質的に寄与しますが、その反面、使い方によっては消費が大きいことを見誤らせます。電源を入れたまま長時間待機する、電子レンジファインダーの小窓を頻繁に使う、といった場合です。
X-Pro3の消費構造が他の富士と違う理由
光学ファインダーで見ているときはメイン画面が点灯せず、精密なピント合わせが必要なときだけ電子レンジファインダーの小窓が重なります。これが節電の主な源泉です。同じ世代のLCD構図のボディと比べると、同じ撮影量でもX-Pro3の消費は一段低いのが通常です。
ただし節電は無消費ではありません。ボディ内の画像処理、1枚ごとの書き込み、ファインダー内の情報重畳、そしてBluetoothの接続待ちが、いずれも電力を消費し続けます。実際に電気を食うのは、シャッター回数そのものより「電源を入れたまま撮らずにいる」数時間であることが多いのです。
もう一点注意が必要です。X-Pro3はNP-W126Sの体系に属し、X-Pro1、X-Pro2から続く流れにありますが、この後に富士はX-Proの新機種を出していません。バッテリーを買うときはW126Sの系統を選び、X-T4以降のNP-W235と混同しないでください。
1本でどのくらい撮れるか
| 使い方 | 撮影枚数の目安 | 説明 |
|---|---|---|
| OVFでの単写スナップ | 約250〜300枚 | 常温、再生少なめ、無線オフ |
| LCD構図が中心 | 約200〜250枚 | 画面が点灯し続け、消費が増える |
| 頻繁な再生+Bluetooth転送 | 約150〜200枚 | 転送は消費の大きい工程 |
| 短い動画を断続的に撮影 | 上表より明らかに少ない | 継続的な書き込みとボディの発熱 |
| 低温の屋外(0℃前後) | 常温より2〜3割減 | 使用可能容量が一時的に低下する |
これらは幅を持たせた推定で、実測の曲線ではありません。レンズも影響します。大口径単焦点でピントを頻繁に往復させるほうが、超広角単焦点より消費が増えます。ボディ内の無線常時接続をオンにすると、一日で半本近くを持っていかれます。
充電のペースをどう組むか
- 出発前夜に2本を満充電にする。出る直前に充電を始めないこと。終わったら抜き、一晩挿しっぱなしにしない。
- 現場ではまずAを使う。残量が1目盛りになるまで撮ってから交換する。警告が出るまで待たない。警告後の残りは数回のピント合わせも持たないことが多い。
- 外したAはすぐバッグの中で充電する。TNP-W126Sは本体にType-C端子があるので、一般的な5Vのモバイルバッテリーにつなげば充電でき、充電器も要らず、ボディも占有しません。
- 再生と削除は1つの時間帯にまとめる。カフェで座った10分などに寄せる。数枚撮るたびに見返さない。
- 撤収後に2本とも7割程度まで戻す。空のまま夜を越させず、満充電での保管もしない。
この段取りの鍵は「バッテリー本体が直充電できる」ことです。X-Pro3のボディは充電しながらの撮影に向いておらず、充電器に頼るしかないと、外に出ている間は充電の手段がなく、本数を増やす以外に手がなくなります。TNP-W126SはType-C端子をバッテリー側に置くことで、充電という動作を「ホテルに戻ってから」から「交換の合間」へ前倒しできます。
街撮りで変えておきたい設定
- Bluetoothと無線の常時接続を切り、転送が必要なときだけオンにする。
- オートパワーオフを短くする。たとえば1分。チャンスを待つ間に自動で休止します。
- OVFを使い続け、精密なピント合わせとローアングルのときだけ画面を下ろす。
- 撮影後の自動再生を切る。一日に数百枚という量では差が小さくありません。
- 頻繁な電源の入切を避ける。起動時の自己診断とセンサークリーニングも電力を消費します。
よくある質問
X-Pro3で旧NP-W126は使えますか?
外形が同じなので相互に交換して使えます。S版は主に放熱と放電特性を最適化したもので、旧型では連写や動画のときに温度保護の表示が出やすい傾向があります。詳細はボディの取扱説明書に従ってください。
1本で一日撮れますか?
OVFのみのスナップ、動画なし、再生と転送なしという条件なら、1本でどうにか半日強はもちます。画面構図や無線転送が入るなら2本から考えてください。冬や寒冷地ではさらに1本追加します。
モバイルバッテリーから直接充電できますか?
TNP-W126Sは本体にType-C端子があるため、一般的な5Vのモバイルバッテリーから直接充電でき、専用の充電器は不要です。ただし大出力の急速充電器で長時間充電すると発熱が増えるので避け、低温環境で充電しながら使うことも控えてください。
2本はどう回すのが合理的ですか?
バッテリーに番号を振り、順番に使います。同じ1本ばかり使うと、その1本だけサイクル数が他より大幅に多くなり、劣化が偏ります。ローテーションでサイクルを薄く広げると、全体の寿命が延びます。対応機種の詳細はTNP-W126S カテゴリとNP-W126S カテゴリをご覧ください。