結論から言うと、使えますが5D Mark IVの同梱電池ではありません。5D Mark IVの同梱はLP-E6N(1865mAh/7.2V)です。LP-E6+の装着は互換使用にあたり、正常に認識され給電もされますが、向上するのは連続放電時の電圧安定性で、電池の総量ではありません。
この点を先に明確にするのは、「LP-E6+」という名前がキヤノンの型番として読まれやすいからです。キヤノン公式のLP-E6ファミリーはLP-E6、LP-E6N、LP-E6NH、LP-E6Pの4つだけで、プラス記号付きの表記は第三者メーカー(YOを含む)による強化版の命名です。5D Mark IVは2016年のモデルで、同梱はLP-E6Nであり、LP-E6+とは関係がありません。
一、まず5D Mark IVがどう電力を消費するか
5D Mark IVは光学ファインダー主体の一眼レフです。つまり日常の消費構造はミラーレスとはまったく異なります。撮らないときはセンサーとファインダー系がほとんど動かず、消費の中心はミラー駆動、シャッター、AFモーター、画像処理、カード書き込みです。
消費電力の特徴は次のとおりです。
- 瞬間電流が大きく、平均電流が小さい。1枚撮りの電流ピークはシャッターとミラーが動く瞬間に現れ、待機中の消費はとても小さいです。このため「総容量」よりも「瞬間的な放電能力」のほうが体感に効きます。
- 長露光と連写が負荷の高点になる。長露光の間はセンサーが動き続け、連写では書き込みと処理が同時に走ります。この2つの場面が持続放電への要求が最も高いところです。
- 内蔵Wi-Fi、GPS、タッチパネルは見えない消耗です。5D Mark IVはWi-FiとGPSを備え、オンにすると撮影していなくても消費が続きます。「2日置いたら電池が空」という不満の原因は、電池そのものよりここにあることが多いです。
この3点を並べて見ると、強化版が旧型一眼レフに位置を持つ理由がわかります。最適化されているのは瞬間的・連続的な放電時の電圧保持能力で、それは一眼レフが最も息切れしやすい部分だからです。
二、容量はLP-E6+に期待しない
ここが最も誤解を生むところです。LP-E6+の位置づけは放電安定性の向上で、容量の増加ではありません。1本の電池が「2本分」になるわけではありません。
| 型番 | 公称容量 | 公称電圧 | 身元 |
|---|---|---|---|
| LP-E6 | 1800mAh | 7.2V | キヤノン公式、初期の型番 |
| LP-E6N | 1865mAh | 7.2V | キヤノン公式、5D Mark IVの同梱品 |
| LP-E6NH | 2130mAh | 7.2V | キヤノン公式、高容量モデル |
| LP-E6+ | 第三者の公称値で、通常は純正と同帯 | 7.2V | 第三者強化版、キヤノンの型番ではない |
したがって「一度に長く撮りたい」のが目的なら、正しい方法は電池を2本持つことで、「+」の付いた電池に替えることではありません。「最後まで撮って、突然落ちず、残量表示も正確であってほしい」というのが目的なら、そこで初めてLP-E6+の出番になります。
三、旧型ボディの本当の適合問題:放電曲線が合うか
5D Mark IVの残量計量は、電圧サンプリングとクーロンカウンターの組み合わせで判断します。純正LP-E6Nの放電曲線はキヤノンが校正済みなので、残量バーは均一に減ります。第三者の電池は放電プラットフォームの形が違うと、2種類のずれが出やすくなります。前半が異常にゆっくり減って後半が崖になるもの、残り2目盛りの表示で実際はすでにカットオフに近いものです。
同じ第三者の電池でもボディによって挙動が一致しないのはこのためです。ボディが古いほど残量算法は保守的で、曲線の形に対する許容度も低くなります。多くの場合これは故障ではなく、校正の違いです。
判断は簡単です。新しい電池を入れ、決まったペースで1組撮り、残量バーがどの区間から加速して減るかを見ます。低残量域で安定して加速するなら正常です。途中で前触れなく電源が落ちるなら、保護基板のカットオフ点が高すぎるか、セルの一貫性が不足しています。
旧型ボディの放電安定性についてはLP-E6+のカテゴリの関連記事を、純正型番の仕様と照合したい場合はLP-E6シリーズのカテゴリをご覧ください。
四、どんな人に向く組み合わせか
向く場面:日常の野外撮影、結婚式の記録の予備、スタジオでの常設、3〜4本を入れ替えながら長時間撮る仕事。これらの共通点は、1回の連続負荷が極端ではない一方で、「肝心なところで落ちてほしくない」という点に敏感なことです。
慎重にしたい場面:長時間のタイムラプス、イベント全体のメイン電池、極寒の野外撮影。タイムラプスと長時間録画は持続放電への要求が最も高く、低温は内部抵抗を大きく上げます。この条件では純正の高容量モデル(LP-E6NHなど)の余裕のほうが安心できます。
もう一つ実務的な提案です。すべての電池を同じ種類に替えないでください。主力は純正、予備は第三者の強化版。この組み合わせはコストと安全のバランスが取りやすく、現場で「電池を入れ替える」動作がそのまま相互確認になります。
よくある質問
5D Mark IVの同梱電池はどれですか?
LP-E6N、1865mAh、7.2Vです。5D Mark IVは2016年発売で、同梱はこの1本です。LP-E6+は同梱品ではなく、装着は互換使用にあたります。
LP-E6+を入れるとボディを傷めますか?
通常は傷めません。LP-E6シリーズの電気的インターフェースは共通で、第三者の製品も保護基板の設計が規範どおりなら、出力電圧とカットオフ点は安全な範囲に収まります。本当に警戒すべきは粗悪なセルと保護基板を欠く製品で、これは「強化版かどうか」ではなく品質管理の問題です。
LP-E6+に替えると残量表示が不均一になるのはなぜですか?
多くは放電曲線の形が純正の校正と一致しないための計量のずれで、電池が壊れているわけではありません。予告なしの電源断がなければ使い続けられます。途中で繰り返し落ちるなら、その電池は放電終盤で5D Mark IVの瞬間電流に耐えられていないので、予備専用にすることを勧めます。
LP-E6+を純正電池の代わりに主力にできますか?
通常の撮影なら可能ですが、重要な撮影では勧めません。主力が担うのはやり直しのきかない部分で、純正型番は校正の一致とロットの安定性の面でより管理しやすいです。第三者の強化版は予備に置くのが、より確実な使い方です。