結論から言うと、満充電できます。LC-E6E は LP-E6 ファミリーの純正クレードルで、充電の電圧ステージが LP-E6P と一致しており、正常な状態なら LP-E6P を満充電まで充電でき、ボディ側も 100% と正しく表示します。時間はおおよそ 2 時間半から 3 時間半のオーダーで、LP-E6NH を充電するよりやや長いか同等です。具体的な長さは開始時の残量、環境温度、電池の現在の状態によって変わります。
まずよくある誤解を整理します。LP-E6P は名前に P が付き位置づけも上ですが、電圧ステージを変えたわけでも、充電用の端子を増やしたわけでもありません。LP-E6NH と同じ 7.2V の 2 直列構成で、どちらも USB-C の直充電ポートを持ちません。電池を充電するにはクレードルを使うか、USB-C PD 給電に対応したボディに装着して充電するかのいずれかで、後者は機種が対応しているかどうかによります。
一、同じ充電器で 2 世代を充電できる理由
クレードルの動作は、商用電源を変換して定電流から定電圧へ移る充電カーブを作ることで、終止電圧は電池の化学系によって決まります。LP-E6、LP-E6N、LP-E6NH、LP-E6P の 4 世代は同じ電圧ステージに属し、終止電圧も同じため、充電器は電気的に共通で使えます。キヤノンが長年 LC-E6 / LC-E6E の一系統しか用意していないのも、この理由です。
区別すべきは「充電できる」と「充電の方針が最適」です。LP-E6P の売りは持続放電能力にあり、内部構造や保護基板の設計が容量型の電池とは異なるため、充電時に受け入れられる電流も違う可能性があります。純正充電器は電池から返ってくる情報に応じて電流を調整します。汎用の充電器より純正クレードルを優先したい理由もここにあります。
二、充電時間の見積もり方
| 開始時の残量 | おおよその時間 | 説明 |
|---|---|---|
| ほぼ使い切り(10% 未満) | 3 時間前後 | 定電流の区間が最も長く、全行程が最大出力 |
| およそ半分(40%〜60%) | 1 時間半から 2 時間半 | もっとも多い補電の場面 |
| 7 割以上 | 1 時間以内 | すぐに定電圧区間に入り、電流が徐々に下がる |
この表は幅を持たせた推定で、確定値ではありません。リチウムイオン電池の充電は定電流と定電圧の 2 段階に分かれ、前半は速く後半は遅く、最後の十数パーセントに全体の 3 分の 1 ほどかかることが多いです。そのため「空から満充電」と「半分から満充電」の差は、多くの人が直感するより小さくなります。
三、充電速度を左右する 4 つの要因
温度が第一です。セルの温度が低すぎると、充電器は積極的に電流を下げ、場合によっては一時停止します。これは保護機構です。高すぎる場合も同じく電流を制限します。暖房のない部屋で冬に充電すると時間が明らかに延びるのは、充電器が壊れているからではありません。
開始時の残量は、定電圧区間にいつ入るかを決めます。残量が低いほど定電流区間が長く全体の時間も長くなりますが、前半の充電速度は最も速く、緊急時なら 20 分充電するだけでかなり実用的な量を得られます。
充電器とケーブルは、ボディの USB-C 充電を使うときだけ影響します。クレードルはケーブルの影響を受けません。USB-C PD 充電は充電器側とケーブル側の両方が十分な電力を供給できる必要があり、電力が足りないと極端に遅くなり、減らないだけで維持するのが精一杯ということもあります。
電池の状態は見落とされやすい項目です。内部抵抗が上がった旧電池は定電圧区間が早く訪れて長引き、「長く充電しても満充電にならない」「満充電表示なのに使うとすぐ落ちる」という形で現れます。このとき疑うべきは充電器ではなく電池そのものです。
四、満充電できないときの切り分けと充電の習慣
- まず別の電池で試す。同じ充電器、同じコンセントで、正常と分かっている電池に替えます。それが満充電になるなら問題は電池側、それも満充電にならないなら充電器か電源側です。
- コンセントと充電器を替えて試す。電源タップの接触不良や電圧の不安定といった初歩的な原因を除外します。クレードルは入力電圧への許容度が限られており、粗悪なタップは実際に異常を起こします。
- 表示ランプの挙動を見る。純正クレードルはランプで状態を示します。点灯は充電中、ゆっくりした点滅は温度待ちか充電待ち、速い点滅は異常を表すのが一般的です。速い点滅が長時間続くなら、まず電源を切り電池を外し、冷めてから再試行してください。それでも同じなら繰り返さないでください。
3 段階を終えても満充電できず、電池側の問題だと確認できたなら、無理に使い続けないでください。異常な電池への繰り返しの充電は、膨張と安全上のリスクの主な発生源のひとつです。
充電の習慣としては、高負荷の録画を終えた直後でまだ熱い電池をすぐ充電しないこと。室温に近づいてから充電するほうが、どんな「お手入れモード」よりも実効性があります。電池を一晩充電器に載せたままにせず、満充電になったら外してください。車内や直射日光の当たる場所で充電しないこと。長期間使わない電池は満充電ではなく 4 割から 6 割の残量で保管してください。
また、2 世代の電池で 1 台の充電器を共用するなら、電池に印を付けて区別することをおすすめします。劣化した旧電池を主力と間違えて持ち出す事故を防げます。手間はほとんどかかりませんが、現場での意外をかなり減らせます。
LP-E6P の機種適合と使用の境界はLP-E6P のカテゴリーで確認できます。容量型の LP-E6NH も充電の論理は本記事と同じで、LP-E6NH のカテゴリーを参照してください。低温が充電と放電の両方に与える影響は、低温環境での電池の挙動にある一般的な結論が参考になります。YO の LP-E6P 互換電池も LC-E6 / LC-E6E の系統のクレードルに対応しています。
よくある質問
LC-E6 と LC-E6E に違いはありますか?
どちらも LP-E6 ファミリーの純正クレードルで、主な違いは電源プラグの形式と同梱される地域仕様です。充電の論理はほぼ同じです。日常使用では区別する必要はなく、端子とプラグが合っていれば問題ありません。
スマートフォンの充電器で LP-E6P を充電できますか?
直接は充電できません。LP-E6P に USB-C 端子はなく、クレードルに入れるか、USB-C PD 給電に対応したボディに装着してボディ経由で充電する必要があります。いわゆる「万能充電器」で接点を直接挟むのはリスクが高く、おすすめしません。
満充電になるとランプは消えますか?
多くの純正クレードルは満充電後に点灯に変わるか消灯します。詳細は説明書を基準にしてください。満充電かどうかを確かめる最も確実な方法は、ランプだけを見るのではなく、ボディに装着して残量表示を確認することです。
新しい電池の初回充電は 12 時間必要ですか?
必要ありません。リチウムイオン電池は出荷時に化成が済んでおり、満充電になればそのまま使えます。長時間の過充電は利点がなく、発熱と劣化を増やすだけです。