結論から言うと、LP-E17 1本でR50、R10、R8は静止画がおおよそ250〜450枚、4K動画がおおよそ40〜70分です。半日の外出なら2本、終日の旅行なら3本、動画主体なら4本を持ちます。公表されるCIPA値が高く見えるのは、試験条件が理想に近いためです。常温で、2枚ごとに電源を切り、Wi-Fiを使わず、再生も繰り返さない。実撮影で公称値の6〜8割しか出ないのは正常な範囲です。
3台は同じ電池を共有しますが、消費の構造は異なります。R8はフルサイズで、センサーの読み出しとプロセッサーの負荷が重くなります。R10は連写と読み出しの速度が高く、R50はもっとも省電力ですが、画面と無線モジュールは同じように電力を消費します。同じ1本でも、3台の持ちを一律には論じられません。
公表値と実際に撮れる枚数
| 機種 | 公表CIPA(液晶モニター) | 公表CIPA(ファインダー) | 実際の目安 | 4K連続録画 |
|---|---|---|---|---|
| EOS R8 | 約370枚 | 約220枚 | 約250-350枚 | 約40-60分 |
| EOS R10 | 約350-450枚 | 約300-350枚 | 約300-400枚 | 約50-70分 |
| EOS R50 | 約300-400枚 | 約250-320枚 | 約300-450枚 | 約50-70分 |
表の実際の範囲は日常使用からの換算です。Wi-Fiをオンにし、撮影間隔が長く、再生を頻繁に行い、気温が低ければ下限側に寄ります。逆に撮るだけで確認しない連写主体なら、上限を超えることもあります。R10とR50の公表値は地域ごとのページで多少異なるため、詳しくはボディの説明書または公式の仕様ページを確認してください。1桁の違いにこだわる必要はありません。
注目すべきは、ファインダーが液晶モニターより電力を食うことです。R8では2つの数字が150枚差で、4割近くになります。理由は単純で、EVFは常時点灯する小型画面であり、リフレッシュレートも高く、輝度も低くありません。ファインダーを覗いたままタイミングを待つ習慣があると、実際の枚数は「画面を見て撮る」より一段少なくなります。
外出時に何本持つか
簡単な見積もり方があります。撮影予定の時間を「1本で使える時間」で割り、さらに予備を1本足します。
- 街歩き、半日:2本。1本はボディに、1本はバッグに。これで不安はほぼありません。
- 終日の旅行、写真主体:3本。1本300枚で計算すると900枚になり、1日のペースを十分に覆えます。
- イベント撮影、連写が多い:4本。交換のタイミングは残量が1目盛りになる前に前倒しします。残量が少ないと連写速度も再生の応答も落ちます。
- 動画主体、インタビューや長回しがある:4本を起点に、PD対応のモバイルバッテリーも持ちます。R8、R10、R50はいずれもUSB-C給電に対応し、電源をつないだまま録画できますが、ボディには電池を入れておく必要があります。
- 低温環境:氷点下では常温の1.5倍を用意します。電池は外ポケットに入れず、体に近い場所に置くと使える温度まで戻ります。
決まった場所で長時間のライブ配信やインタビューをするなら、ダミーバッテリーとアダプターの組み合わせも選択肢になります。考え方はNP-FZ100のダミーバッテリー給電に近く、外部の直流電源で電池を置き換え、稼働時間の制約から離れます。ただしLP-E17機種のダミーバッテリーは作りにばらつきがあり、選ぶ際は電圧が7.2Vで安定化回路があることを確認してください。出力電圧が漂う安価なアダプターは避けます。
実際に効く省電力設定
- ファインダーの自動切り替えを切る。もっとも見落とされやすい項目です。画面とEVFが繰り返し切り替わると、2系統の表示が同時に起動します。液晶モニターに固定すると、稼働時間は1割以上伸びます。
- Wi-FiとBluetoothを切る。画像を送らないときは機内モードにします。無線モジュールの待機消費は、多くの人が思うより大きいです。
- オートパワーオフを短くする。30秒か1分に設定します。待機中もカメラはセンサーと手ブレ補正を動かしており、撮らないなら切るほうが「半睡」より省電力です。
- 画面の輝度を下げる。屋内では中間、屋外で上げます。この項目は実際の持ちに直接効きます。
- 再生を減らす。数十枚ごとに見返すのが、持ちが短くなる実際の原因です。再生中は画面が全輝度になり、プロセッサーがカードを読み続けます。
- 不要な補正と強調を切る。デジタルレンズオプティマイザーやハイライトトーン優先などは、追加の処理資源を使います。
- 動画は1080pか低いフレームレートで。4K 60pの消費電力は4K 25pより明らかに高く、後者は1080pより高いです。話し中心のVlogなら1080p 25pで十分です。
- 機内充電しながら撮らない。充電しながらの撮影は電池を発熱させ、長期では劣化を早めます。長時間撮るなら充電モードではなく給電モードに切り替えます。
これらの設定を合わせると、通常は1本あたりの実効撮影時間を2〜3割伸ばせます。出所の不明な高容量電池を買うより、設定の見直しのほうが結果は安定します。
3台の選択差
持ちが主な不満なら、ボディ選びで1点だけ注意します。R8のCIPA値は3台でもっとも低いですが、USB-C給電があるのでモバイルバッテリーで補えます。R10は電池効率がよく、終日外にいて補給しにくい撮影に向きます。R50はもっとも軽く、予備1本で軽装の外出を賄えます。
将来R7やR6のようなボディに上げる予定なら、電池はLP-E6シリーズに変わり、容量は倍になり、考え方も変わります。キヤノンLP-E6電池特集で先に把握しておくとよいです。あちらは連続放電能力を重視し、こちらは容量の区分を重視します。
リチウムイオン電池の機内持ち込みには具体的な規則があり、容量、本数、手荷物必須かどうかが問われます。出張撮影が多いなら、リチウムイオン電池の機内持ち込み規則を先に確認し、保安検査場で捨てざるを得ない事態を避けてください。
よくある質問
R50は1本で1日撮れますか
軽い撮影なら可能です。300〜400枚を目安に、200〜300枚を撮り、再生はときどき、Wi-Fiを切るなら1本で1日持つのは現実的です。ただし終日外にいて、撮るたびに見返し、画像も送るなら2本目を持ってください。費用は大きくなく、心理的な負担がかなり軽くなります。
新しい電池の減りが早いのはなぜですか
まず3つを除外します。低温環境ではないか、Wi-Fiとファインダー自動切り替えがオンではないか、ファームウェア更新直後や長時間の再生ではないか。どれでもなければ、完全な充放電を1回行って校正します。それでも異常なら電池自体を疑い、LP-E17特集の容量区分の説明と照らしてください。
モバイルバッテリーでカメラを充電できますか
できますが、PDプロトコルに対応し出力が十分なモバイルバッテリーと、USB-C to USB-Cのデータケーブルが必要です。カメラの電源が入っているときは給電、切っているときは充電になります。低温では充電しながら撮らないでください。電池温度が低すぎると充電が制限され、停止することもあります。
予備電池を長期間使わないときはどう保存しますか
5割程度まで充電し、乾燥した涼しい場所に置き、3〜6か月ごとに補充電します。満充電のまま長期保管せず、完全放電のままにもしません。どちらも容量の劣化を早めます。カメラに入れる前に、接点がきれいで、ケースに膨らみがないことを確認します。