結論から言うと、DR-FW50は充電ケースでありセルを含まないため、単体で持ち運ぶ分にはリチウム電池の輸送制限を受けません。制限されるのはケースに入れたNP-FW50のほうです。FW50は1本あたりの公称エネルギーが7.7Whで、一般に運用されている機内持ち込みの上限100Whを大きく下回るため、機内に持ち込めますが、預け入れ荷物に入れることは通常できません。言い換えれば、ケースはどのように持っても構いませんが、バッテリーは必ず一緒に客室へ入れる必要があります。
以下は一般的な航空輸送の規則と実務の経験です。各社の規定はより厳しいことがあるため、出発前に搭乗する航空会社の公式説明をもう一度確認してください。国際線ではとくに重要です。
規則が見るのはバッテリーで、ケースではない
保安検査が判断するのは「リチウム含有量」と「ワット時」であり、「この物体が何と呼ばれているか」ではありません。充電ケースにはセルがなく、回路基板とバネ接点だけなので、輸送区分としてはプラスチックの付属品に近く、手荷物でも預け入れでも構いません。
ただしバッテリーをケースに入れた時点で、その全体は「リチウム電池を内包する容器」として扱われます。このとき通過できるかを決めるのは、ケースの中のバッテリーの本数とワット時であり、ケースの形ではありません。
したがって正しい問いは「DR-FW50は飛行機に持ち込めるか」ではなく、「ケースの中のNP-FW50は何本で、何ワット時で、どの荷物に入っているか」です。この3点を整理すれば、問題は片づきます。
計算してみる:FW50は結局何ワット時か
| 項目 | 数値 | 説明 |
|---|---|---|
| 公称電圧 | 7.2V | NP-FW50の仕様 |
| 公称容量 | 1020mAh | 約1.02Ah |
| 公称エネルギー | 7.7Wh | 電圧×容量。一般に表示される値 |
| 一般的な持ち込み上限 | 100Wh | これ以内なら通常は届け出不要 |
| 1本が上限に占める割合 | 8%未満 | 余裕は十分 |
7.7Whがどの程度かといえば、一般的なモバイルバッテリーは37Whや74Whが普通です。つまりFW50の1本は、中容量のモバイルバッテリーの3分の1にも満たないエネルギーです。本数については、多くの航空会社が「合理的な自己使用」の範囲で予備電池を比較的緩やかに扱っており、4〜5本を数日使う分には問題ありませんが、何十本もまとめて持ち込むと商用輸送と見なされます。
注意したいのは、規則が見ているのが「予備電池(spare batteries)」、つまり機器に装着されていないバッテリーだという点です。カメラに装着されている1本は機器の付属品として扱われ、通常は制限が緩くなります。
保安検査の前に行う4つの準備
- バッテリーをすべて預け入れ荷物から出す。予備のリチウム電池は機内持ち込みが原則で、もっとも見落とされ、もっとも開梱されやすい項目です。
- 端子を絶縁する。1本ずつポリ袋に入れるか、DR-FW50のスロットに入れて蓋を閉じます。目的は接点が鍵や小銭と接触して短絡するのを防ぐことです。
- 本数をまとめ、確認しやすくする。透明な袋か1つのケースにまとめれば、検査時にまとめて出せて、バッグを探らずに済みます。
- 7.7Whのバッテリーは積極的な届け出を要さない。100Wh未満の予備電池は通常、航空会社の承認は不要です。確認には素直に応じてください。
国内線は比較的緩やかに運用されており、国際線は乗り継ぎ時に再検査されることがあります。バッテリーをすぐ取り出せる位置に入れておくのが、もっとも楽な方法です。
止められやすい原因。実際に止められるケースの大半は「ワット時超過」ではなく、次のようなものです。バッテリーが預け入れ荷物に散らばっていてX線に写った。バッテリーと金属製品が混在し、短絡の危険があると判断された。本数が自己使用の範囲を大きく超え、用途の説明を求められた。外装が破損していたり膨張していたりして、安全上の理由で運送を断られた。
なかでも膨張は交渉の余地がありません。外装が変形したリチウム電池は、チェックインでも保安検査でも拒否されえます。出発前に外観を一度確認しておくほうが、空港で議論するよりはるかに有効です。
もう一つ、充電ケース自体の取り出しを求められる場合があります。これは違反ではなく、ケース内部に回路があり、X線像が複雑になるため、検査員が隠れたセルがないことを確認したいだけです。蓋を開けて応じれば済みます。
預け入れと持ち込みの境界
覚え方は簡単です。ケースは預け入れできる、バッテリーは機内持ち込みが必須。荷物の余裕がないときは、空のケースを預け入れのスーツケースに入れ、バッテリーは別袋で手荷物にします。客室の荷物の場所を取らず、規則にも反しません。
ボディにバッテリーを入れたまま預け入れることは、多くの航空会社が認めています。ただし電源を切り、メモリーカードを抜き、バッテリーが膨張していないことを確認してください。より確実なのは、バッテリーを外して手荷物に入れる方法です。
FZ100体系のボディも一緒に持つ場合、考え方は同じで、違うのはワット時だけです。NP-FZ100 バッテリーの機内持ち込みについてが参考になります。FW50体系の一般情報はNP-FW50 シリーズ、ケースの使い方はDR-FW50 カテゴリをご覧ください。
なお、YO TNP-FW50は本体にType-C端子があるため、「機内でモバイルバッテリーから充電しよう」と考える人もいます。座席で充電できるかは機材と航空会社によりますし、充電中のバッテリーは使用中の状態と見なされます。搭乗後は長時間の充電を避け、着陸後に補充するほうが無難です。
よくある質問
DR-FW50の空のケースは預け入れできますか?
できます。セルを含まない充電ケースはリチウム電池の輸送区分に入らず、預け入れも手荷物も制限されません。ただしスロットは空にし、蓋が荷重で変形しないようにしてください。
ケースにバッテリーを入れたまま検査すると取り出しを求められますか?
可能性はあります。内部に隠れたセルがないことを確認するため、蓋を開けるよう求められることがあります。これは通常の確認で、違反ではありません。応じれば済みます。
NP-FW50は一度に何本持ち込めますか?
多くの航空会社は100Wh以下の予備電池を「合理的な自己使用の本数」で運用しており、個人撮影用に4〜5本なら通常は問題ありません。個人使用の範囲を明らかに超える本数では、用途の説明を求められることがあります。
バッテリーは預け入れ荷物に入れられますか?
通常は入れられません。予備のリチウム電池は機内持ち込みが求められ、これは国際的に共通の基本要件です。機器に装着した状態の電池は制限が比較的緩やかですが、預け入れは避けたほうがよいでしょう。