結論から言うと、多くの方には950mAhをおすすめします。容量はキヤノン純正LP-E17(1040mAh)の約9割で、放電カーブが最も純正に近く、価格は高容量グレードより明確に抑えられており、「1本で1日をもたせる」ための堅実な選択です。750mAhは予備や軽装の半日向け、1050mAhは中断できない終日撮影や長時間録画向けです。3グレードの本当の違いは、半分が容量、半分が電圧降下のタイミングにあります。
まず前提を整理します。キヤノン純正の型番はLP-E17のみで、750/950/1050mAhはYO独自の製品区分であり、キヤノン純正のどの型番にも対応するものではありません。市場に出回る「LP-E17H」もキヤノンの型番ではなく、一部のサードパーティが高容量版に付けた呼称にすぎません。
3グレードの仕様を1つの表に
| 比較項目 | 750mAh | 950mAh | 1050mAh |
|---|---|---|---|
| 純正1040mAh比 | 約72% | 約91% | 約101% |
| 公称エネルギー(7.2V) | 約5.4Wh | 約6.8Wh | 約7.6Wh |
| 1本の重量傾向 | 最も軽い | 中程度 | やや重い |
| 価格帯 | 最も安い | 中間 | 950mAhよりやや高い |
| 放電カーブ | 終盤の落ち込みが早い | 最も純正に近い | 電圧の平坦部が長い |
| USB-C直充電ポート | なし | なし | なし |
| 想定用途 | 予備、軽装の半日 | 日常の主力 | 終日撮影、動画 |
表で最も見落とされやすいのは「放電カーブ」と「USB-C直充電ポート」の2行です。前者の実際の影響は容量差より大きく、後者はモバイルバッテリーから直接充電できるかどうかを決めます。3グレードはいずれも直充電ポートを備えないため、直充電が必要な場合はLP-E17直充電シリーズを別途ご確認ください。
3タイプのユーザーと、それぞれの適正グレード
1つ目は日常記録型です。週に2〜3回、1回あたり数十枚から100〜200枚を撮り、バッグに予備を1本常備する使い方です。このタイプは750mAh 2本、あるいは950mAh 1本+750mAh 1本のどちらも合理的で、重量の好みで選べます。
2つ目は週末の野外撮影型です。半日から1日外出し、300〜500枚を撮り、途中にコンセントがあるとは限りません。最も人数の多い層で、950mAhが既定解になります。1本で主力をこなし、2本目で終盤を支えます。
3つ目はプロ・高強度型です。結婚式、イベント、旅の撮影で、1日に1000枚以上撮るか録画を続けます。この層はグレードで悩まず、1050mAhを複数並行し、1本あたりの容量より交換のリズムを重視したほうがうまくいきます。
「とりあえず最大容量」をおすすめしない理由
1050mAhは確かに容量が最大ですが、得られる効果は限界的です。950mAhと比べて1割程度多く、重量はやや増え、価格も上がります。ライトなユーザーにとっては、その差額を「750mAhの予備をもう1本」に充てたほうが現実的です。2本の組み合わせは、肝心な場面で1本の大容量より事故に強いからです。
また、容量を大きくしてもボディ側の制約は残ります。機種によっては残量が一定のしきい値を下回ると連写を制限したり駆動を落としたりします。容量の大きいバッテリーはそのしきい値を後ろへずらすだけで、なくなるわけではありません。
ボディ自体も考慮に入れます。フルサイズ機は基礎消費が大きく、容量差が実稼働時間で増幅されます。APS-C機は比較的省電力で、軽い使い方では750mAhと950mAhの差が目立ちにくくなります。同じ比較表でも、入れるボディが変われば最適解は変わります。
価格差と総コストの考え方
合理的なのは「1本いくらか」ではなく「1日の撮影をカバーするのにいくらかかるか」で比べることです。半日単位で見積もると、750mAh 2本の合計容量は950mAh 1本を上回り、価格は概ね近くなります。ただし2本には交換の手間と体積が伴います。バッグの余裕を重視するなら950mAh 1本、冗長性を重視するなら750mAh 2本が安心です。
もうひとつの隠れたコストは充電口の数です。3本を同時に充電するには3口が必要で、出張では2本のほうが現実的です。どうしても3本持つなら、2口の専用充電器で夜のうちに2回に分けて充電するのが実際的です。この点は容量と互換性のガイドで詳しく扱っています。
よくある質問
3グレードの容量は混ぜて使えますか?
使えます。3グレードともLP-E17規格で、同じボディで混用でき、ボディは装着中のバッテリーの実際の電圧から残量を判断します。混用するときは容量の大きいものを主力の区間に、小容量を予備に回してください。
1050mAhはボディが熱くなりませんか?
容量そのものが発熱の原因になることはありません。ボディの発熱は主にセンサー、プロセッサー、連写の強度によるもので、バッテリー容量とは直接関係しません。ただし高容量品は高負荷時に電圧が安定し、カメラが出力を落とす場面が減るため、体感で「粘る」と感じやすくなります。
なぜ3グレードともUSB-Cポートがないのですか?
製品ラインの区分によるものです。直充電ポート付きは別シリーズで、ボディ外から直接充電したい方はそちらをご覧ください。通常の専用充電器モデルは、LC-E17またはサードパーティの専用充電器で充電します。
750mAh 2本と1050mAh 1本、どちらを買うべきですか?
撮影を中断できるかで決まります。中断でき、合計枚数を重視するなら750mAh 2本が有利です。中断できず連続稼働が目的なら1050mAh 1本のほうが安定します。交換そのものがリスク要因になるからです。