
結論から言うと、低温ではリチウムイオンの内部抵抗が上がり、ピント合わせや録画の電流で電圧が沈み、カメラは残量があるのに空だと判断します。4.04Wh の NP-BX1 は氷点下10度で使える量が六七割まで落ちることがあります。予備は内ポケットで温め、警告が出たらすぐ交換し、その場で回復を待たないことです。

寒いと何が減るのか
低温ではリチウムイオンが動きにくくなり、電解液も粘ります。内部抵抗が上がると、ファインダーやオートフォーカス、録画の電流で端子電圧が一気に下がり、カメラは残量なしと判断して電源を切ります。
化学的なエネルギーが消えたわけではありません。ポケットで30分ほど温めて入れ直すと、また数十枚撮れることが多いです。電池が小さくなったのではなく、取り出せる分が減っただけです。
温度と使える容量の目安
下表はリチウム電池一般の性質から置いた経験的な範囲で、「この挙動は正常か」を判断するためのものです。実測値ではなく、セルや機種で差があります。
| 周囲温度 | 使える容量(25℃比) | 現場での挙動 |
|---|---|---|
| 20〜25℃ | 約 100% | 正常、公称に近い |
| 0〜10℃ | 約 85〜90% | やや早いが目立たない |
| -5〜0℃ | 約 70〜80% | 減りが早く、予備が必要 |
| -10〜-5℃ | 約 60〜70% | 低残量警告が早まり、突然切れることも |
| -20℃ 未満 | 約 50% 以下 | 起動しない場合あり、温めると回復 |
逆読みもできます。気温5度で半減するなら、原因は寒さではなく電池の劣化を疑ったほうがいいでしょう。
予備電池の保温
いちばん効くのは内ポケットで、体温で十数度に保てます。肌に直接当てると汗で接点が湿るので、小さな密封袋に入れてからポケットへ。防湿と、鍵による接点の傷の両方を防げます。
我慢するより交代です。本体の電池が警告を出したら、すぐ外してポケットへ戻し、温かいほうを入れます。20〜30分で冷えた側も少し働けるので、2本の交代で3本分に近い効果が出ます。
使い捨てカイロを直接貼らないでください。局所的に熱くなるとセルに良くない状態を作り、袋の中が結露しやすくもなります。使うなら布を一枚はさみ、袋を密閉しないことです。
カメラバッグの外側、三脚袋、上着の外ポケットは冷える場所です。予備はそこに置かないでください。
結露・保管・交換の目安
氷点下の機材を20度の室内へ持ち込むと、空気中の水蒸気が金属や基板の上で結露します。電池室、カードスロット、レンズマウントが最初に濡れます。水は低温より機材を傷めます。
入る前にカメラと電池を密封袋へ入れ、空気を抜き、1〜2時間かけて室温まで戻してから開けます。急いで電源を入れるのは、水蒸気を基板へ押し込むようなものです。
すでに結露したら、電池を出し、外装を拭き、風通しのよい場所で自然乾燥させます。ドライヤーの温風は隙間へ水分を送るので使わないでください。
戻した直後の電池も、すぐには充電しません。室温になってから充電します。
保管は 40〜60%、おおよそ開路電圧 3.7V 前後です。満充電で置くと正極の劣化が進み、空で置くと過放電の恐れがあります。
3か月に一度、半分ほどまで補電します。15〜25℃ の乾燥した場所を選び、冷蔵庫やベランダは避けます。
膨らみは最もはっきりした交換サインです。平らな机に置いて揺れる、電池室で固くなる、外装が変形している、甘いにおいや溶剤臭がする。どれかに当てはまったら使わないでください。充電を続けるのは危険です。
使えなくなった電池は生活ごみに出さず、回収拠点へ。飛行機では預けず、規則に従って手荷物で持ち込みます。
1個 ¥24.57 なので、迷うより交換したほうが安く済みます。撮る季節には2〜3個を用意しておくと安心です。仕様は NP-BX1 互換バッテリー に、他の仕様は ソニー NP-BX1 シリーズ にあります。
よくある質問
凍った電池はまだ使えますか。
多くは使えます。室温に戻してから普通に充電し、容量が明らかに落ちていないか見てください。温めても挙動がおかしい、外装が変形している場合は交換します。
冬に車内へ置いてもいいですか。
おすすめしません。夜の冷えと日中の車内の暖かさで冷熱サイクルが繰り返され、セルに負担がかかります。短時間ならともかく、一晩は避けてください。
低温だと充電できないのはなぜですか。
保護基板が低温で充電電流を制限するためです。リチウムの析出を防ぐ動作で、異常ではありません。室温に1〜2時間置けば戻ります。
少し膨らんだ電池はまだ使えますか。
使わないでください。内部にガスが発生し、構造が弱っています。給電できても使い続ける理由はありません。回収に出してください。