結論から言うと、混用は問題なく、順番の原則は「容量の小さいものから使い、最も信頼できる1本を最後に残す」です。純正LP-E17は約1040mAh、750mAhは2本でそれぞれ約7割なので、合計容量は純正の2倍半に近づきます。この構成なら丸一日の撮影の大半をカバーできます。考えるべきは「混ぜられるか」ではなく「どの1本をいつ入れるか」です。交換のタイミングは、バッテリーそのもの以上に撮影のリズムを左右するからです。
混用が成り立つのは、LP-E17の電圧仕様が統一されており、ボディが電圧と通信でバッテリーを識別し、容量では区別しないためです。3種類のバッテリーはボディ上では対等で、違いは「どれだけもつか」に現れます。
なぜ小さいものから使うのか
理由は2つあります。第一に、リチウムイオン電池は自己放電するため、満充電から時間が経つほど使える電気量は減ります。容量の小さい1本は最後まで残しても貢献できる絶対量が限られるので、早めに使い切ったほうが劣化の窓を狭められます。第二に、撮影の後半は体力も集中力も落ちやすく、その時間帯こそ「入れたら後は考えなくてよい」1本が必要です。最大容量のものをその位置に残すのが合理的です。
逆に純正から使い、小容量を後に回すのも誤りではありません。ただし終盤に交換が1回増え、それが片付けや移動、光が変わりつつある瞬間に重なりやすくなります。ローテーションを決める意味は、その動作を負担の少ない時点へ移すことにあります。
そのまま使えるローテーション表
| 段階 | 使うバッテリー | 理由 |
|---|---|---|
| 出発から最初の休憩まで | 750mAh(A) | 状態が最もよく現場も濃い。小容量でももつ |
| 中盤の主力撮影 | 750mAh(B) | リズムを保ち、使い切ったら交換。本線を止めない |
| 終盤と帰路 | 純正LP-E17 | 残量が最も多く、急な追加撮影にも対応できる |
この順番は絶対ではありません。「午前はゆっくり、午後に集中」という撮り方なら、純正を午後に回し、750mAh 2本で午前をカバーします。判断の基準は常に「どこがいちばん中断できないか」で、最も余力のあるバッテリーをそこに置きます。
3本に番号やラベルを付けるのもおすすめです。混用で最も起きやすい問題は残量ではなく「どれが満充電か分からない」ことです。背面に1、2、3と油性ペンで書くか、色の違うシールで区別すれば、コストはほぼゼロで効果は直接的です。
混用の4つの注意点
- 1本ずつ充電し、まとめて充電しない。LC-E17は1口の専用充電器で1回に1本なので、そもそも混充電になりません。サードパーティの多口充電器を使う場合は、各口が独立して管理されているものを選び、容量や残量の異なるバッテリーをひとまとまりとして扱わないでください。
- 「少しだけ足して」バッグに戻さない。撮影後に10分だけ充電して片付け、次に取り出したときに満充電だと思い込むのが典型的な悪い習慣です。満充電にするか、「半分」と明示するか、どちらかにしてください。
- 満充電や空のまま長期保管しない。使わない期間は4〜6割程度が適しています。具体的な方法は950mAh版の保管の考え方にまとめており、容量が違っても原則は同じです。
- 低温では小容量を短時間の用途に使う。低温ではどのバッテリーも使える容量が減り、小容量ほど影響が顕著です。冬の屋外では予備を体に近い場所に置き、交換の直前に取り出してください。
もう一点見落とされがちなのは、外したバッテリーをすぐポケットに入れて鍵や硬貨と同居させないことです。端子の短絡は確率としては低いものの、結果は軽くありません。純正の箱や仕切りのあるバッテリーポーチに入れるのが、最も手間のかからない予防策です。
混用を避けるべき場面
やり直しのきかない撮影——結婚式、取材、商業スタジオのメインカメラ——では、容量が大きく状態の揃ったバッテリーに統一し、変数を減らすことをおすすめします。混用の代償はリスクではなく「不確実性」です。どれがどれか、どれをどれだけ使ったかを覚えておく必要があり、緊張の高い現場では余計な負担になります。
逆に、旅行、街撮り、家族の記録など中断が許される場面では、混用にほとんど欠点はなく、コストも抑えられます。YOの750mAhの価値はまさにそこにあります。気軽に2本追加できる価格なので、「節電」と「たくさん撮る」のどちらかを諦めずに済みます。構成をもう一段上げたい場合は、容量と対応のガイドにある組み合わせ例を参考にしてください。
よくある質問
純正とサードパーティを混用するとボディに悪影響がありますか?
ありません。ボディは電圧が範囲内か、通信が正常かだけを見ています。混用の実際の影響は「1本ごとに持続時間が違う」ことで、安全性とは関係ありません。ただし正規の販路の製品で、保護基板が正常に働いていることが前提です。
3本を順番に使う必要はありますか?
ローテーションをおすすめします。1本だけを使い続け、残り2本を遊ばせると、遊んでいる側の劣化が早まります。逆に同じ1本ばかり使えば、そのサイクル数だけが突出します。3本のサイクル数をほぼ均等にすると、全体の寿命が延びます。
満充電かどうかを手早く見分ける方法は?
ボディに入れて残量表示を見るのが最も確実です。LP-E17対応機はほとんどが段階表示に対応しています。ボディがないときは、専用充電器で満充電にしてから保管し、外観に印を付けておくほうが記憶に頼るより確実です。
750mAh 2本と純正1本で1日の野外撮影は足りますか?
多くの場合は足ります。合計容量は純正の約2倍半になり、1日の静止画撮影や中程度の連写なら通常は問題ありません。終日4K撮影や大量の連写が中心なら、1本追加するか、主力を950mAhに替えてください。